アジアカップ結果報告

こんばんは、今回は埋橋が担当させていただきます。

先日、9月3日にマレーシアのクアラルンプールにて開催された「MONIN CUP Asia-Pacific 2024」に出場いたしました。

7月7日に開催されたMONINCUPJAPANの延長線上にある大会で、「Low is More」をテーマに低アルコールのオリジナルカクテルを創作する大会として開催されました。10カ国から選抜されたバーテンダーが1名ずつ参加し、その技を競い合いました。

まずセミファイナルで10名から6名に絞られ、その後行われるファイナルで上位3名が選出されます。この3名は次回パリで開催される世界大会への出場権を獲得することになります。

セミファイナルは10分間のプレゼンテーション形式で実施されました。日本大会との大きな違いはインフュージョンした材料の使用が認められていたことと、プレゼンテーションを英語で行う必要があったことです。

材料の制限が無かったこともあり各国の選手は個性豊かな材料を用意していました。自国の伝統的な食材や、それを用いた革新的なインフュージョンなど、どの選手も興味深いレシピばかりでした。

特に印象的だったのは「うま味」を意識した選手が多かったことです。

近年うま味の概念が世界的に広まりつつあるという話は耳にしていましたが、実際に外国の選手がうま味を軸にしたカクテルを創作する様子をみるのは日本人として感慨深いものがあります。

プレゼンテーション自体も、フランクなものが多かったです。

審査員の前まで行って演技したり、審査員も巻き込んで飲んだりと、周りを楽しませるようなプレゼンテーションが多かったです。

私は英語が得意ではないのでプレゼンの内容を暗記するだけで精一杯という感じだったのですが、フランクで和やかな雰囲気だったからこそ緊張も少なく演技できたと思います。

幸運にもセミファイナルを通過しファイナルに進出することができました。

ファイナルのルールもかなり特殊で、各選手に渡されるブラックボックスの材料とモナンシロップだけを使い、30分以内にカクテルを創作するというものでした。

使えるモナンシロップも日本には輸入してきてないものや、ブラックボックスの中には醤油、ジンジャービア、ケドンドンなど普段使い慣れない材料が多く含まれており、制限時間内にオリジナルカクテルを完成させるのは容易ではありませんでした。

この課題はカクテルや食材に対する深い知識が試されるものだったと思います。上位に入賞された選手たちは、限られた材料を巧みに組み合わせ、独創的なインフュージョンを施し、観客を大いに盛り上げるようなプレゼンテーションをした方々でした。

結果として、私は6位という評価を得ました。

次のパリ大会も目指していたので、6位という結果に終わり残念だと思う気持ちもありますが、他の方の演技をみてまだまだ力不足だと実感するばかりなので納得のいく順位です。

今回の大会を通じて、単なる結果以上に多くの貴重な経験を得ることができました。これまで海外のバーシーンに対する関心が薄かったのですが、今回の経験をきっかけにその価値観が大きく変わりました。バーだけでなく、他の国の文化全般に興味を持つようになりました。

「MONIN Cup Asia-Pacific 2024」という素晴らしい機会を与えていただいたことに心から感謝致します。今回の挑戦で得た経験と知識を胸に、より一層精進し、バーテンダーとして成長を続けて参ります。

またこの度は、温かく応援してくださったお客様、多大なる御指導を賜りました諸先輩方、そして、多大なるご支援を賜りましたメーカーの方々に対し、心から厚く御礼申し上げます。