ライムジュースによる味の違い

今年の営業日も残すところあと1週間となりました。

急激に冷え込みもきつくなりいよいよ年末といった雰囲気になってきましたね。

本日は中迫がブログを担当させていただきます。

 

先日行われましたNBA名古屋支部12月の研究会。

今月は各種ライムジュースによる味の違いについて勉強いたしました。

使用致しましたのは輸入ライム、国産ライム、シシリーライムジュース、明治屋コーディアルライム、ローズ社ライムジュ—ス。

ギムレットの飲み比べを行いましたが頭で理解している以上の違いを実感致しました。

やはり飲みなれた味だと感じるのは輸入ライム。甘酸味のバランスが取れスタンダードな味わいです。

一方国産ライムですが甘味が強く酸味が柔らかいのかまるで別のカクテルのように仕上がりました。

シシリーのライムジュ—スは逆に非常に酸味が強く、普段のカクテル調合のアクセントとして使用するのもいいかもしれないとの意見も出ておりました。

明治屋コーディアルライム、こちらはクライスでも生のライムと併用して使用しております。

シロップとジュースの中間のような感じでしょうか。甘味が強く、酸味は軽めなためレモンジュース等と合わせたりしてバランスを取ると一風変わった味わいのギムレットとしてお楽しみがいただけるのではないでしょうか。

また、生のライムを使うカクテルのアクセントとしても使えます。

 

真打、ローズ社のコーディアルライムジュース。

 

レイモンド・チャンドラーの代表作『長いお別れ(清水俊二訳)』に重要な小道具として登場するギムレットのレシピに登場致します。
物語の序盤、開店したての静かなバーでマーロウとテリー・レノックスがギムレットを飲みながら友情を育むシーンはハードボイルド史に残る名シーンの一つ。

レノックス曰く「本当のギムレットはジンとローズのライム・ジュースを半分ずつ、他には何も入れないんだ」。
酒にあまりこだわりの無いマーロウは軽く聞き流しますが、これを聞いていたバーテンダーが後にローズのライム・ジュースを仕入れてマーロウに振舞います。
その「うすい緑がかった黄色の神秘的な色」をしたギムレットに対するマーロウの感想は「やわらかい甘さとするどい強さがいっしょになっていた」というものでした。

 

実際に使用して作ってみると非情に味わいのバランスがよく研究会に参加したメンバーにも大好評でした。

ハリー・クラドックが1930年に発表したのが「サヴォイ・カクテルブック」に書かれているレシピ、

「バローのプリマスジン1/2、ローズのライムジュース1/2、ステアしてグラスへ。必要に応じて氷」

こちらもジンライムのように作ってみたところ大好評。

ローズ社のライムジュースは日本では通常手に入らない品であることを惜しむ声も。

 

こうして普段以上に盛り上がる研究会となったのでした。

 

クライスでは頂きものですがローズ社のライムジュースをご用意できます。

こちらは残りごくわずか。ぜひともお試しくださいませ。