あっという間に1月も終わり2月となりました。
つい先日までお正月休みだったような気がしますがこうやって1年もすぐに過ぎていくのでしょうか。
2月と言えば日本では節分、バレンタインデー、建国記念日と色々ございますが地球の反対側ブラジルではリオのカーニバルが行われます。
2月にというと違和感がありますが南半球南部のリオでは亜熱帯地域で1,2月が一年で最も暑いようです。
平均気温も30度を超え、カーニバルでも熱狂的な雰囲気に包まれます。
そんなリオのカーニバルでも飲まれるカシャーサ(ピンガ)をご紹介いたします。
カシャーサ、またはピンガと呼ばれるブラジルの国民的飲料ですが名称で何が違うのか・・・?
以前までピンガという種類のお酒の中にカシャーサというブランドがある、と認識しておりました。
ラムの中にバカルディがある、といった感覚でしょうか。
ところが調べてみるとカシャーサという名前はリオを中心としたブラジル全土の共通表現として用いられており、サンパウロ周辺ではピンガ、リオ・グランデ・ド・スルあたりの南部ではアグアルディエンテ・デ・カニャ。その他の地域ではシュガー・ケー・ブランデーだとかカニーニャといった呼ばれ方をされているようです。
カシャーサはブラジル語で「大きく成長した複数の房」という意味のようでブドウ・バナナのような房になるものを指すようです。
瓶詰した後直射日光等から守るためバナナの皮を巻くとこからついた名前かもしれませんね。
一方ピンガは雫という意味がありカシャーサの1大ブランド「51」を製造する会社名に由来するそうです。
よくお客様に御質問いただくのはラムとカシャーサの違い。
共にサトウキビを原料とするラムとカシャーサは元々起源を同じとし、同じ原料にも関わらずポルトガル、スペイン両国のライバル意識が原因だとも言われております。一般的にラムという名前が定着したのが1667年頃。一方カシャーサという名前が定着したのが1755年頃だと言われております。
製法も色々と異なります。
ブラジルと西インド諸島の気候や気温などにより、本来持っている酵素や細菌が異なる。
異なった文化圏(ポルトガル語対スペイン語という言葉や生活習慣など)での製造の手順や手法が異なる。
一番大きな違いとしてブラジル以外で製造されるスピリッツの多くは、多少の差はありますが200リットルのアメリカやヨーロッパのオークの樽に長く置かれるます。
一方ブラジル原産のカシャーサは、かなり大型の1万リットル程度の樽を使用します。
また樽はアマゾンの森林樹や大西洋沿岸の森林樹を使うことが多いとされます。
また、ラムが原料の糖蜜或いは絞り汁を加水するのに対して、ピンガは加水をせずに直接発酵、単式蒸溜器で蒸溜を行います。その後38%~54%に調整されます。
そしてカシャーサの代表的な飲み方であるカイピリーニャ。
「田舎のお嬢ちゃん」を意味するカクテルです。リオのカーニバルに限らずブラジルでは砂糖をたっぷり加えライムをギュッと絞りカシャーサを注ぎ氷をいれて飲まれております。
ブラジルでは荒々しく適当に作ることが多くむしろそれが喜ばれるそうです。
日本はまだまだ冷えますが来る夏に思いを馳せてカイピリーニャ、いかがでしょうか。
余談ですがカシャーサの「51」、当然「ごじゅういち」でもなく「フィフティワン」でもなく「シンクエンタ・イ・ウン」と読むそうです・・・知りませんでした・・・